中小企業脱炭素経営の取組事例紹介

中小企業脱炭素経営の取組事例紹介

中小企業事業者の皆様へ

地球温暖化を防止するためには、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することが重要です。世界的な脱炭素化の流れの中、中小企業等の事業者にとっても脱炭素化は避けて通れない喫緊の課題となっています。
ここでは、「令和6年度四日市市中小企業向け脱炭素経営支援事業」で実施した中小企業「藤井撚糸株式会社」様の取組事例についてご紹介いたします。 事業者の皆様には、脱炭素経営、省エネルギー化に向け、実際の取組事例を参考にぜひご検討ください。

 

 

脱炭素経営支援の内容

藤井撚糸株式会社様に対して脱炭素経営の取組促進のために必要な対応として、以下の内容を提案し、支援を実施しました。

①温室効果ガスの排出量(Scope1~3)の算定

脱炭素におけるScope 1、2、3は、温室効果ガス(GHG)排出を分類する基準です。
Scope 1は自社の直接排出、Scope2は購入した電力や熱などの間接排出、Scope3はサプライチェーン全体にわたるその他の間接排出を指し、包括的な削減が求められます。
※今回、Scope3についてはカテゴリ1,3,4,6を対象

②SBTの認定基準に則した中長期的な温室効果ガスの削減目標と計画の策定

SBTとは…パリ協定が合意した「世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回り、また1.5℃抑える水準」と整合した、企業の中長期的な温室効果ガス排出削減目標

③省エネセンターによる省エネ最適化診断(費用は支援先企業にて負担)

省エネ最適化診断とは…施設や企業のエネルギー使用状況を分析し、無駄を削減して効率的なエネルギー利用を実現するための改善策を提案するプロセスです。
これにより、コスト削減や環境負荷軽減が期待でき、持続可能な運営に貢献します。

④温室効果ガス排出量の削減目標達成に向けたロードマップ作成

中長期的な方向性及び2030年までの取組計画を作成。

 

 

1. CO2排出量(Scope1,2,3)の算定結果

①Scope1,2の算定結果 (単位:t-CO2/年)

・年間5,000トン以上のCO2を排出していることが判明

 

②Scope3の算定結果 (単位:t-CO2/年)

2022年11月よりヒートセット加工(委託事業)を開始したため、ボイラで使用する燃料(LNG)使用量、関連する原材料の調達や製品の輸送・配達等に係るCO2排出量が増加したと考えられる。
なお、2023年度にScope2(電力使用)の排出量が増加した要因は、電力会社の排出係数の増加(前年度比△18.2%増加)による影響によるものである。

 

 

2.温室効果ガス排出量の削減目標達成に向けたロードマップについて

※本ロードマップはScope1,2を対象とする

 

 

3.まとめ(藤井撚糸株式会社様からの総評)

  • 中小企業向け脱炭素経営支援事業にかかるモデル事業に採択され、支援団体から支援を受けながら脱炭素経営に必要なデータや情報を収集することができた。
  • 中小企業にとって脱炭素経営を進めることは困難なことであるが、まずは必要なデータや情報等を取り揃えて、省エネから取り組むことが有効的である。(社員を巻き込んで具体的な対策案を比較・検討することも重要)
  • 取引先などとも協力し、また自社の事例を積極的に情報発信することにより四日市市の脱炭素に貢献していきたい

 

藤井撚糸株式会社様の詳細な取り組み事例については、下記資料をぜひご覧ください。

 

 

4.四日市市中小企業脱炭素経営支援事業費補助金の募集について

市内の中小企業者が取り組む温室効果ガスの排出量算定、削減計画の策定及びSBT認定取得に要する経費の一部を補助することにより、中小企業者等による脱炭素経営の推進を支援します。

項目 内容
補助対象者 市内中小企業
補助対象事業 ①自社の温室効果ガスの排出量を算定する事業、自社の温室効果ガスの排出量を削減するための目標を策定する事業
②中小企業向けSBT認定を取得する事業
補助対象経費 ○支援機関等へ支払う経費
・コンサルタントに係る経費
・診断及び分析に係る経費
○ソフトウェア等導入経費
・システムソフトウェア導入及びクラウドサービスの利用料
○中小企業向けSBT認定取得の申請に係る経費
○その他市長が適当と認める経費
補助額 補助対象事業①
補助対象経費の2分の1以内(上限額 400千円)
補助対象事業②
補助対象経費の2分の1以内(上限額 200千円)

 

詳細につきましては、市ホームページをご確認ください。