9月のデコ活 ~再配達を減らそう~
近年、インターネット通販等の普及とともに、宅配便の取扱い個数は急増しています。いまや生活に欠かせない宅配サービスですが、再配達の増加が大きな社会問題につながっています。
宅配サービスの受け取り方を少し変えると、より便利に宅配サービスを受けられ、環境にもやさしくなります。
1.宅配便の再配達による影響
(1)再配達による二酸化炭素排出量
インターネット通販等が普及し、宅配便の取扱個数が急増していることに伴い、再配達が増加しています。
1年間に再配達によって排出される二酸化炭素の総量は約42万トンです。一人当たりの年間二酸化炭素排出量は約1,838kg(出典:温室効果ガスインベントリオフィス)のため、
42万トンとは、約23万人分の年間二酸化炭素排出量に相当します。
出典:環境省
(2)再配達による労働生産性への影響
再配達で問題となっているのは二酸化炭素排出量のみではありません。
通信販売のサイトなどで「送料無料」という記載を見かけることがありますが、「送料無料」となっている場合にも、配送について実際にはコストが発生しています。
また、再配達に係る時間は年間約1.8億時間で、これはドライバー約9万人分もの労働時間にあたります。
9万人は全宅配便ドライバーの約1割で、つまり10人に1人のドライバーが1日中再配達のためだけに働いていることとなります。
出典:環境省
2.受け取り方法の選択
再配達を減らすためには、宅配便を1回の配達で確実に受け取ることが大切です。
受け取り方にはさまざまな方法がありますので、自分に合った方法を選びましょう。
(1)時間帯の指定
あらかじめ荷物を受け取れる時間を指定することで、自分が受け取ることができる時間に荷物を配送してもらい、確実に受け取りましょう。
(2)場所の指定
宅配事業者の営業所やコンビニエンスストアなど受け取りが可能な場所が自宅近くや通勤経路などにある場合は、あらかじめ場所を指定することで、指定した場所に荷物を配送してもらい、確実に受け取りましょう。
(3)宅配事業者などの受け取りサービスの利用
パソコンや携帯電話で受け取り場所や時間を変更することができる受け取りサービスを利用して、確実に受け取りましょう。
(4)宅配ボックスや置き配の利用
集合住宅の宅配ボックスは、設置数も増えていて効果的です。さらに戸建住宅用の宅配ボックスも相次いで発売されていて、外出先から配達確認ができるものなど便利に進化しています。
また玄関先や車庫など指定された場所に荷物を置いてくれる「置き配」などの実施も再配達の防止に役立ちます。
3.再配達を減らすことで宅配サービスに対する満足度向上につながる!
ある調査によると、宅配便が指定している日に受け取れなかった時に感じるストレスは、100点満点中の87点。
この数字、スマホを落として画面を割ってしまった時に感じるストレスと同程度というのです。
一方、ある集合住宅で宅配ボックスを設置した実証実験では、再配達を大幅に減らすことができた上に、7割以上の人が宅配便の受取によるストレスがかなり減ったと答えました。モニター世帯の満足度も100%となっています。
宅配便を一回で受け取ることは、利用者の満足度を上げ、結果として再配達を減らして、社会的問題の解決にもつながることなのです。
出典:環境省
■受け取り方法を選択して再配達を減らしましょう
宅配サービスは受け取る方法を少し工夫することで、1回で確実に受け取ることができます。
受け取り方法を賢く選択して再配達を減らし、再配達による二酸化炭素排出量の削減につなげましょう。
【参考】